●21話
・・第一章・・
しばらくして、そろそろ、一度寮に戻らなければいけない。と、口にした竹林の言葉に、秘密基地での集いはお開きになった。
篠山はこのまま家へ。竹林と、青木と、美咲は寮に戻った。
寮に戻って二人きりになった時、
「お前、クラブ活動、何かする予定でもあるのか?」
と、聞かれて、そんなこと思いもしなかったのに、気づく。
「…別にないなあ・」
と答えると、
「キックボクシング、やらないか?」
と、言われて
「へ?」
と、間抜けな返事。
「・・・大した実力なんてないんで、大きな事言えないんだが、実は俺。キックボクシングしているんだ。今から、そこに行く所ななんだけど、覗いてみないか?」
と、誘われて、美咲は首をブンブン横に振る。
「あいにく興味がないんだ。」
丁重にお断りすると、彼はあっさり引き下がって、
「そうか。」
と、答えて時計を見上げた。
「じゃあ、行ってくるわ。晩飯までには戻るから。」
竹林の言葉で、その話はおわったのだった。
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